猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年1月14日(日) 16:30~19:00読書会、19:00~21:00懇親会
- 東京文学サロン月曜会第二会場「駒井組」第6回定例会「トニ・モリスン 青い眼がほしい」(原作オマージュ版レポート)
「お店があります。高速道路の下にあるお店です。お店の入口はどこにありますか?橋の下を探すとそこにひっそりとあります。長い通路をくぐると受付があります。受付には優しそうなお兄さんがいます。お兄さんは笑っています。お兄さんの隣には駒井さんがいます。駒井さんも笑っています。お兄さん、駒井さん、笑って・・・。」
日曜夜更けの銀座の街で読書について語り合う紳士淑女がいた。明日から仕事というのに時間を忘れお酒やスウィーツを楽しんでいる。いったいどうしてこんなことになったのか・・・。
こんにちは。わたし、東京文学サロン月曜会第2会場「駒井組」サポーターをしています。
先日、この冬一番の寒波に見舞われた銀座のまちで第6回定例会がありました。
今回の課題本は「トニ・モリスン 青い眼がほしい」。オバマ元大統領が人生最高の書といった「ソロモンの歌」の作者、ノーベル賞も受賞した女性作家です。
わたしは駒井さんがとっても大好き。駒井さんは、いつものように本を読むためのヒントをくださいました。
「人種差別問題をあつかっていますが、社会科学的にではなく、文学的に読み解くべき作品です。昨年からアメリカ文学の中で黒人文学が多く翻訳出版されるようになりました。現代の世相が現れているのでしょうか。」
ここで、おどけた司会者が前に現れ、その呼びかけで読書会がはじまった。
参加者は8人ずつのテーブルにわかれ、それぞれで読書会が進む。
猫町の読書会では、皆さんのお話をスムーズに進行させて頂く進行役(ファシリテーター)を最初に決めて頂いています。
会場に来てから当日話し合って引き受けて頂く方です。なので、事前の準備もありませんし、専門家でもありません。読書会に参加される皆さんで進行役をもり立て、明るくて楽しい読書会をつくっていきましょう。
参加者は課題本から多くのメッセージを読み取っていった。
・白いことが美しいとされる当時の風潮に、美は刷り込みであると気づかされる。
・すべての人のスケープゴードであるということはどういうことか考えさせられる。
・アイデンティティを奪われることが如何に人生を歪めるのかを知らされた。
・強者のルールの中で弱者同士がさらなる貶めあいをする。
・親子や夫婦の憎しみの連鎖が更なる差別を生み出している。
・黒人問題に限定されない「差別」の本質を見せられた気がする。
・悲惨な話ではあるが、ソープヘッドなど奇妙なキャラクターを登場させることで読者へ救いを与えるといった作家の配慮を感じた。
・いじめる人間をつくることで醜い自分を受け入れざるを得ない、われわれ人間の性(さが)を厳しく指弾する最後の部分に作家からの強いメッセージを感じる。
参加者の置かれている状況によって作品の受容性も異なった。
・通常の社会生活の中ではこれまでどぎつい憎しみに出会うことはないが、「差別」はわれわれ一人一人の中に潜んでいることを感じ、興味を持った。
・この作品の内容は自分の日常生活とまったく同じで、読んでいてつらかった。
駒井さんがわたしたちのテーブルにもいらっしゃったわ。
今回の読書会に備えて、皆さんのためにレジュメをつくってくださいました。この本を読み解いてゆくヒントや、あわせて読みたいブックリストなどがのっています。
「駒井組」に参加した人だけのご褒美、気になる方は是非、読書会に参加してみてくださいね。
ところで、言い忘れましたが、猫町倶楽部の読書会では【他人の意見を否定しないこと】が大事な約束です。
この本の内容でも強く感じますが、個人の人格・尊厳を傷つけられるのは誰でも不愉快なことですよね。不快な気持ちが自分の態度・発言に現れ、お互いに良くない雰囲気になってしまう。みんなで仲良くして楽しい読書会をつくりましょう。
ベストドレッサーの表彰式がはじまった。
相変わらず辿々しい司会者の進行で各テーブルの受賞者が呼び出されていく。
この本の中では、タンポポ、マリ・ゴールド、野バラといった可愛いお花がたくさん出てきます。今回は「フローラルまたはスマートカジュアル」というテーマで服装や小物を工夫して頂きました。
とっても寒い夜でしたが、会場内が明るくなった気がします。
あるお姉さんは、本の中の少女たちが大好きなキャンディを大人たちのお髭に見立ててアクセサリーにしてました。わたしたちは、そのキャンディをお借りして「ひげ遊び」を楽しみました。
ベストドレッサーに選ばれた皆さんには猫町倶楽部特製のしおりのほか、わたしの大好きな駒井さんからも副賞としてアメリカ文学のお薦め本が贈られました。
受賞者の皆さん、ほんとうにおめでとうございます。
あら、月曜会第1会場-chanomaのサポーターのお兄さんたちが出てきました。
来月の2月17日〜18日の二日間で伊香保温泉へ旅行会があるそうです。
「猫町倶楽部でたくさんメンバーと知り合うには旅行会に参加するのが一番。
伊香保温泉一の眺望が楽しめるホテルで読書会、温泉・グルメを思いっきり楽しみましょう。
世界遺産の富岡製紙工場や、自分だけのキューピー人形もつくれるおもちゃ博物館を見学し、地元の野菜、豚肉を地元特産こだわり味噌でじっくり煮込んだ「こしね汁」も味わえます。」
とっても楽しそう。
皆さん、ぜひ参加してみて下さいね。
読書会と同じ会場で懇親会がはじまった。
いつの間にか、ひょうきんな司会者の姿はどこかへ消えてしまったようだ。
参加者は、話し足りなかった課題本の話の続きや、好きな本の紹介など情報交換、mixiなどでの連絡先を交換しはじめた。
わたしの所属する駒井組では、読書会から懇親会までをセットで申し込んで頂いています。
懇親会は、読書会と同じ会場なのでゆっくりとくつろげると思います。
わたしは、お酒は飲めないのですが、この会場には、おいしいお酒や飲み物が豊富にあります。
お兄さんたち、お姉さんたち、とても楽しそう。
そうそう、猫町では、mixiコミュニティを活用して情報交換をしています。
猫町には「駒井組」以外でも様々な定例会があって、開催スケジュールの先行情報や、同じ趣味の皆さんが集まった課外活動の募集など、活動の幅が広がります。
夜が更けてきました。一旦、懇親会はお開きになりました。
あら、お兄さん、お姉さんはお店の奥の席に移って、三次会がはじまったようです。
このお店には、かわったスウィーツがたくさん、わたしも今夜はすっかり食べ過ぎました。
わたしは、ミス・バーサのお店のキャンディが好きだけど、ここのお店も負けていません。
皆さん、如何でしたか?
「駒井組」の様子が伝わったでしょうか?
次回は3月11日(日)メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」です。
駒井さんからメッセージ
「映画などで様々な派生作品が生まれている本ですが、実は人間の孤独を表した優れた作品です。若き女性作家が怪物を生み出すというその素晴らしい構成力に驚かされます。」
とのことです。
面白そう。皆さん、是非またご一緒しましょうね。
サポーターのお兄さん、お姉さん、そして、大好きな駒井さんと一緒にお待ちしています。
(画像:ひとみ、マッチュ、文章:マッチュ)