猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年3月7日(水)
- 月曜会名古屋会場 バージニア ウルフ「ダロウェイ夫人」
2018年3月7日、文学サロン月曜会の名古屋会場定例会が行われました。
3月とはいえまだまだ寒さが堪える夜でしたが、初参加者も含めて約30名の方にご参加いただきました。
今回の課題本はヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』。
主人公クラリッサ・ダロウェイの一日を描いた、モダニズム小説の代表作といわれる作品です。
今月の会場のお花はチューリップ!優しいピンク色が愛らしく、春を感じますね。
こちらの会場には、毎回季節のお花が素敵に飾られています。
連続参加していただくと、読書会で季節の移ろいを感じられるかもしれません。
さて、『ダロウェイ夫人』ですが、登場人物の「意識の流れ」を通して「生」「死」「時」を描いた作品だとされています。難解といわれるこの作品を通して、どのような意見が交わされたのでしょうか?
・「作者は、自身の感情を反映させた日記のような作品を残したかったのだろうと感じた。論理的でない文章が、本当に、本当に読みづらかった」
・「登場人物の視点が連続して変わる、独特の文体。私はクラシック音楽を聴くような感覚で楽しめた。まるで室内楽やアンサンブル、心情描写の流れを楽しむように読んだ」
・「作者が用意した細かな“仕掛け”を探すのが楽しい。一読しただけではわからない面白さがある」
・「こういった話で主人公が50代って、なかなかないですよね」
・「自分がもっと年を取ってから読んだら、印象が変わっていそう」
・「たくさんの登場人物の一生がこの1日に凝縮されている感じがする」
・「ダロウェイ(生)とセプティマス(死)の対比とは何だろうか?」
・「パーティーをしながら“生きている”人と関わるダロウェイと、“死んだ”エバンズに取りつかれるセプティマスという対比にもみえる。」
・「小説の中に出てくる、例えば自動車・飛行機・百貨店など、今は当たり前すぎてつまらないかもしれないが、当時は最新で“最先端の都ロンドン”を読者は楽しんだのでは」
・「同時代の第一次大戦後を舞台に描いたヘミングウェイの『陽はまた昇る』が退廃的な雰囲気なのに対して、「ダロウェイ夫人」は全体的に見ると爽やかさを感じた」
「面白かった」「面白くなかった」にとどまらず、それぞれの価値観や想いを知ることができるのは読書会の醍醐味です。
続いて、ベストドレッサーの発表です。
今回のドレスコードは「6月のロンドン」でした。「3月の名古屋」で、その表現にこだわり抜き、見事ベストドレッサーを獲得された皆様です!
「6月の花咲くロンドンをイメージした花柄を、スーツに取り入れた方」、「ロンドンらしい絵柄のスカートをまとった方」、「可愛らしい小花柄のワンピースがお似合いの方」、「品の良い英国紳士スタイルの方」、「色合いの美しい花の帽子をかぶった方」など、皆様それぞれとてもおしゃれな装いでした。
読書会が終わると、お待ちかねの懇親会が始まります。
『ダロウェイ夫人』の話から、最近読んだ本の話、おすすめの旅行先など、美味しいお酒やドリンクと一緒に楽しく語り合いました。
笑顔の懇親会でした。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。
最後にmixiコミュニティのご紹介です。
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次回もお待ちしております!
文責:ななほし
写真:Yu
(名古屋月曜会第10.5期サポーター)