扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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  • 福岡文学サロン月曜会 第26回『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・パイヤール

特別イベント

  • 2018年3月17日 読書会16:30~ 懇親会18:30~
  • 福岡文学サロン月曜会 第26回『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・パイヤール

長い冬の寒さも緩み、社会人は年度末の忙しさもピークを迎え、なにかと落ち着かない春。
今回の課題本は、ピエール・パイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」でした。

いつもの定例会とは違い、今回はアウトプット会ということで男性が多めの回でした。

読了が鉄の掟の猫町倶楽部の読書会にて「読んでいない本について堂々と語る…?語っちゃっていいんですか…?いや、むしろ語らせてください!」
と、毎月の課題本の読了ごときにたまにひーひー言っているレポート主は、いざ往かん!と本を手に取ったのであります。



するとのっけから「私は批評しないといけない本は読まないことにしている。読んだら影響をうけてしまうからだ」というオスカーワイルドの
序文に脳髄に一撃。戻って目次の「Ⅰ 未読の諸段階(ぜんぜん読んだことのない本・ざっと読んだ本・人から聞いたことのある本…)」「Ⅱどんな状況でコメントするのか」「Ⅲ 心がまえ」のラインナップでニ撃。
今の時代本を読まなくてもスマホでググればすみますし、いやそもそも、もう本屋近所にないですしと言い訳可能な我々はともかく、著者(フランスの人文学の大学教授)もオスカーワイルド(小説家)さんもそれで飯食ってますよね?流し読みはともかく、ぜんぜんはだめだろ、そこまでぶっちゃけていいんですか」と

読書会の進め方としては、最初から順に内容について語るというより、ファシリテーターが提示した問いについて、本書を通じて感じたこと、または自分の見解を表明してもらうという形式をとりました。ですので、「本書を通して一番ガツンときた部分はどこか」という話題から「読書とは自分にとって何か」「本の定義とは(紙の本か電子書籍か情報か)」まで、ちょっといつもの定例会とは違って参加者自身の考え方を表明する場面が多かったかもしれません。1
読書とは自分にとって何か、という議題には、自分自身に対する投資である、または読書とは道具(ツール)である、時間つぶしである、情報を得るツールである、本の定義については、本とは一つの完成された世界である、電子書籍という媒体に接して、実は自分は本という形じゃなくて文字が好きであることに気が付いたや、さらに本とは「人」であるという意見まで、一つの「本」を通して、皆で話し合うことで、自分の読書体験もしくは考えを相対化する、その一連の営みも「読書」の醍醐味であると改めて思ったのでした。

実は、前半部分にのめりこみすぎて、後半部分がよく理解できていなかったファシリ(=レポート主)の苦肉の策だったのですが、あとで懇親会の時にメンバーで「後半部分の話題が少なかったからなんでだろうと思った」と即座に突っ込まれたので、なかなか読んでいない本について堂々と語るというわけにはいかないようです。

次の読書会も、日々の生活に追われながら、課題本を読むことになりそうです。それ以外の個人的な読書については、もしかしたら読んでいない本だけど、私は誰かに滔々と本について語っているかもしれません。 
「読了って何?そもそも『本を読む』って何だろうね」という疑問という名の毒を胸に秘めながら。



読書の後は、美味しい食事と楽しい会話。
いつも会場をお借りしているAfter the Rainさんは、向田邦子の「枝豆のしょうゆ煮」等、小説、文学にちなんだ美味しい食事と提供するにとどまらず、読んだ本を店に寄贈するとハイボール1杯サービスや、「朝からバーで古本市」等、本にまつわる素敵なイベントを多数開催されています。
毎回、本を片手に美味しい食事とお酒を飲み、気心知れたまたは初めましての方と過ごすのはまさに至福の時と申せましょう。






今回の定例会のドレスコードは「春」。名前に別の動物がばっちり鎮座しているのに、実は猫を飼っていて、ハンドルネームもねっこさん。




おめでとうございます。京都からいらっしゃったとのことですが、福岡の猫町倶楽部もありがたいことに毎回、他県から来られる方がいらっしゃいます。
いつもありがたがっているだけでは何なので、福岡の猫町倶楽部では「猫町キャラバン」と称して、年に何回か全国各地を遠征する読書会を開催することにしました。

次回の定例会、第一回の猫町キャラバンの舞台は大分・湯布院。場所は、ゆふいん文学の森。
何を隠そう、この建物は日本が誇る文豪太宰治が1936年11月から約7カ月間、2階の8畳間に住み、代表作『人間失格』の原型となる『HUMAN LOST』などを執筆した東京のアパート『碧雲荘』(東京都杉並区天沼)を移築した建物。宿泊もできますが、読書会のみの参加もOKです。
課題本は満を辞しての「人間失格」。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

猫町倶楽部@福岡文学サロン月曜会‏はmixiを中心に様々なSNSにて情報発信を行っています。

福岡猫町倶楽部mixiコミュニティ
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(他にfacebookコミュやLINEにて情報提供・共有をしております)

課外活動イベントの情報や課題本について深く話せたりできますので、ぜひご利用ください。

文責・写真 のuこ

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