猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年4月7日(土) 受付/16:30〜、読書会/17:00〜、懇親会/19:00〜
- 関西文学サロン月曜会 第38回 三島由紀夫『金閣寺』
2018年4月7日、カフェバー「ラポーティア」にて『猫町倶楽部関西文学サロン月曜会』が開催されました。
今回の課題本は『金閣寺』。
実際に起こった金閣寺の放火事件を題材とした三島由紀夫の代表作であり、近代日本文学の傑作のひとつとして国内外で高い評価を得ています。
当日は肌寒く、小雨交じりの空模様でしたが課題本効果(!?)もあり、大変多くの方にご参加いただきました。また、4月開催ということもあり、フレッシュな初参加者の方々も多く見受けられました。少し緊張した面持ちで受付を済ませ、それぞれのテーブルへ。
「課題本を読む」という共通点がお互いの距離を縮めてくれるのが猫町倶楽部の読書会。読書会開始までの短い時間の間に、どうやら皆さんすっかり打ち解けた様子です。
でも、お楽しみはこれからが本番。
司会が登場し、タイムスケジュールや各テーブルの進行役などについての説明を始めました。また、「人の意見を否定しない」という、猫町倶楽部の大切な約束事についての確認も行われます。皆さん真剣に司会の話に聞き入っていますね。
さて、いよいよ各テーブルでの読書会がスタートしました。
進行役である「ファシリテーター」の皆さんの導きによって、さまざまな角度から『金閣寺』という作品の実像が紐解かれていきます。
「主人公が老師に期待していたもの、期待していた姿ってどんなものだったのかな」
「主人公と柏木の人間性についてはどう思う?」
「偉大なる美の象徴としての金閣寺を壊すことで、主人公は金閣寺を自分と同じレベルに落としたかったのかも」
「主人公の金閣寺に対する意識の変化が面白いよね」
「それはそうと、柏木はモテすぎじゃない?ずるやましいわ~」
大盛り上がりの読書会ですが、そろそろ月曜会恒例企画、ベストドレッサー賞を選出する時間です。今回のドレスコードはずばり「ゴールド」。皆さんは比較的自由なこのテーマをどのように解釈し、自分なりのオシャレとして表現したのでしょうか。
和気藹々としたムードの中、各テーブルから選出されたベストドレッサーの皆さんが集まってきました。
ベストドレッサー1人1人が行う本日の装いについての説明に、皆さん興味津々な様子。テーマに対する解釈はまさに十人十色です。
「今日のファッションのポイントは?」
「ゴールドの折り紙!これ姪っ子が折ってくれたんですよ~」
皆さん、彼女の爪にご注目。
「主人公の『美に縛られてる感』を表現してみました!」とのことですが、これ、すべて自作だそうです。
今回は「金閣寺の炎上」と絡め、ゴールドだけでなく赤も同時に取り入れたコーディネートの方が複数いらっしゃったのが印象的でした。
読書会の最後は参加者全員での記念撮影。
課題本を手に、はい、チーズ!
自然と拍手が起きたところで、課題本について話し合う前半の部は終了です。
引き続き懇親会がスタート。美味しいお料理と飲み物で、会話も弾みます。
素敵なデザートも出てきました。 読書会で脳をフル活用した皆さん、甘いものでしっかり糖分補給してくださいね。
ここで席替えタイム!
皆さん、どのテーブルに行こうか迷いながらも着席し、「グルメ」「芸術」「ダイエット」「マンガ」など様々なテーマで読書会とは違ったメンバーとも交流を深めているようです。
「参加するまで不安だったけど、会場に入った際の雰囲気で安心しました」
「最近読んで面白かったのはこの漫画!」
「新しいドラマ始まりましたね~!今期は何を見ようかな?」
「最近ジャズバーに通い始めたんです」
まだまだ話し足りない様子の皆さんですが、そろそろお開きの時間。楽しい時間が過ぎるのはあっという間ですね。
「読書」という行為はごく個人的なもののように思えますが、課題本を読み、さまざまな人の意見を知ることで自分の読書体験を何倍も、何十倍も豊かなものにできるのがこの読書会の醍醐味です。
また、課題本を通じた新たな出会いも、参加者の皆さんの人生を豊かなものにしてくれるのではないでしょうか。
今回ご参加いただきました皆さん、本当にありがとうございました。
次回は5/12(土)、課題本は田中小実昌『ポロポロ』。会場は引き続きラポーティア(大阪)です。ぜひ奮ってご参加ください。
当日、皆様にお会いできることを楽しみにしています。
(文・しほ 写真・しん、パキスタン)