扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

東京文学サロン月曜会[文学]

  • 2018年4月23日 受付開始16:00 読書会 16:30~18:30
  • 第99回 東京文学サロン月曜会「ポロポロ」

扉を開けたらそこは異世界でした…ということは(たぶん)ありませんが、いつもの生活とはちょっと違う世界に行くことは可能です。

それは猫町倶楽部という同じ本を読んだ人だけが集まる世界。
そしてこの世界へ入るための条件は課題本の読了のみ。
猫町倶楽部は課題本の種類でいくつか分科会がありますが、そのうち文学を扱うのが猫町倶楽部月曜会文学サロンです。


4月23日には、代官山chano-maで第99回目が開催されました。
今回の課題本は田中小実昌の『ポロポロ』


私は猫町世界が好きなので、猫町倶楽部には良く参加しています。
この会も参加しましたので、その回顧録をここに残したいと思います。

まずはこの扉を開けて、同じ本を読んだ人だけが集まる世界へ入りましょう。
受付を済ませていざ猫町世界へ


ちなみにこの世界はフリードリンク制です。


こちらは「欲張り読書会」の様子。
これは読書会が始まる前の時間を使った事前のミニ読書会で、この作品について早く話したい!という人から、読書会前の時間が空いてる人まで誰でも参加できます。


読書会の開催が近づくにつれ、徐々に参加者が集まってきました。
今回の参加者は全体で80名ほど。


参加者はこの世界に入ると、最初に10人弱のテーブルに案内されます。そしてそのメンバーで課題本について語り合います。


各テーブルのメンバーは参加者からランダムに振り分けられるので、知り合いもいれば、全員初対面ということもあります。


猫町倶楽部文学サロン月曜会の課題本は、名作だけど一見読みにくい本も多いです。それだけに自分では読まないような作品に出会えることも多く、新しい世界の一端に触れることができます。
今回の課題本「ポロポロ」も、文章は平易ですが、ストーリーは明確な起承転結のあるものではなく、全体として内容や作者の言いたいことがわかりにくい作品です。
今回の参加者からも、最初の感想では読みにくかった。何が言いたいのかわからなかったという意見が多かった。
しかし、読書会が進むにつれてそれ以外の感想も出てきます。

・作者は小説の中で、物語化して語ることを避けようとしている。

・最初の章のポロポロは、全体の中で、少し異質な話。作者はこの章で、この小説がどういうものかの、ある種の説明をしているのではないか?

・通常の小説とは、異なる手法を用いることで、作者が表現したかったこととは?
などなど、それぞれがこの小説を読んで感じたことや、他の人の意見を受けて考えたことなどを述べていきます。

この猫町世界では、1つだけルールがあります。
それは「他人の意見を否定しない」というもの。
それ以外は、何でもOK。

そうやって自由に意見を交わしていくことで、自分の中でボンヤリとした考えがまとまったり、自分一人では得ることのできなかった新しい考えを得たりできます。

読書会の最後には、各テーブルでベストドレッサー賞の選出が行われます。
月曜会文学サロンでは、毎回異なるテーマでドレスコードを設定しています。
今回のテーマは、帽子とポロシャツ。
ベストドレッサーは参加者の投票で決まります。


そしてこちらが今回のベストドレッサーの方々!
ドレスコードの帽子とポロシャツは、どちらか一方でもOKですが、ベストドレッサーに選出された方は、皆さん帽子をかぶっていますね。ベストドレッサーに選ばれただけあって皆さん素敵な帽子です。


ぼう…し…?


私はこの世界に何回か参加していますが、まだまだわからないことはあります。
ただドレスコードは遊び心の一環ですので、そのテーマも各人自由に解釈してもらってOKなのです。
そして、彼は今回でこのベストドレッサーを10回連続で受賞したとのこと。
それで全てを察していただきたい……。


また、この猫町倶楽部には、文学を課題本にするこの月曜会以外にも、さまざまな分科会が存在します。
その分科会の1つに猫町アンダーグラウンド、通称猫町UGがあります。猫町UGでは性を題材にしたものを課題本にしています。これまでは、不定期開催でしたが、この度、定期開催されることになったとのことで、サポーターの方が宣伝に来ました。


…え?こっちは本当に異世界なんじゃないかって?
そう思うあなたは、ぜひその目で確かめてみては?
猫町UG世界への参加申し込みは、この文学サロン月曜会と同様に猫町倶楽部のHPから可能です。


後、今回はゲストとして文化系AV監督の二村ヒトシさん、エッセイストの柴原明子さんも参加されました。そして、読書会後には今回の課題本の著者、田中小実昌のお孫さんの田中開さんにも来ていただきました。




読書会自体はこれで終了ですが、その後、同じ会場で懇親会があります。

懇親会では、お好きな料理と飲み物を取って参加者同士で交流を深めます。





また、月曜会では懇親会中にも企画を模様しており、このテーブルはその企画の1つ、「猫町堂書店」
ここは参加者同士がオススメの本を持ち寄って交換するブースです。自分の本を忘れた方も、後日参加した際に本を持って来てくれればOKですので、ぜひお気軽にお立ち寄り下さい。


こちらは「ゲストテーブル」。さまざまなゲストの方と直接話ができます。


懇親会は21時でお開きですが、話し足りない方は三次会に繰り出します。

ゲストも多かったせいか、明日は月曜日にも関わらず多くの方が三次会まで参加してくれました。


さて、私ももっとこの猫町世界に浸っていたかったけど、終電も近いのでこの辺で…

次回の猫町倶楽部月曜会は5月27日、課題本はヘッセの『デーミアン』

これを読んでいるあなたと、猫町世界で会えることを楽しみにしつつ、この回顧録を終わりたいと思います。
See you next Nekomachi…



記:hase  写真:やまちゃん

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