扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

猫町UG(アンダーグラウンド)

  • 2018年5月12日(土) 受付開始12時 読書会12時半から14時半 講演会14時45分~16時
  • 猫町UG×都築響一【フランス書院文庫を読む】


 

「みなさんこんな天気のいい日に、こんな地下に集まって……」

2018年5月12日、初夏の陽光輝く街路を離れ照明を控えた阿佐ヶ谷ロフトAの地下会場、仮面をつけた参加者の前にゲストの都築響一さんはそう笑って登場されました。

 

猫町UG、この日の課題本は猫町倶楽部初めての試みとなる官能小説。

フランス書院文庫三冊の中から一冊を選んで語り合います。
 

 

夢野乱月『甘美なる隷従』

「夢野乱月版『O嬢の物語』」の帯の通り、主人公の女性がサディストの男性に見初められ、徐々にSMの世界へと踏み出していく物語です。

三冊の中では最も参加者が多く、女性も抵抗感なく楽しめたのではないでしょうか。
 

 


 

神瀬知巳『義母温泉』

厳しい日常から離れて官能小説に癒されたいときに人気の一冊。

温泉宿で童貞の少年が部屋を間違えたことから始まる年上女性3人とのくんずほぐれつ、最後には思いを寄せていた義母とも……ひたすら甘く幸福な性描写が魅力です。



 

結城彩雨『完全版人妻肛虐全書Ⅰ暴走編、Ⅱ地獄編』

この作品だけ前後編二冊になります。一冊がかなり読み応えのある厚さ。

その中で二人の女性が浣腸から始まりヤクザに売られ、肛虐の限りを尽くされます。

なかなかハードな内容に当初参加者の集まりが危ぶまれましたが6人の参加者が集まりました。
 

蓋を開けてみるとフランス書院文庫を読むのは初めての方が大半の読書会になりました。

また参加者は58名中13名が初心者の方でした。

官能小説という通常はひとりでひっそりと楽しむ性の文学を初対面の人と語り合う際に、ドレスコードの仮面の果たした役割は小さくなかったのではないでしょうか。

 

一般参加者に混じって官能小説家の深志美由紀さん、AV監督の二村ヒトシさんも仮面を着用され話の輪に加わりました。

 


 


 

この日はオリジナルのカクテルも提供されました。

カクテルの名前は

「桃尻先生」

「オルガズムソーダ」

ノンアルコールカクテルに「清楚の裏切り」

淫靡な名前の飲み物も雰囲気を盛り上げていきます。

 


読書会の後はベストドレッサー賞の発表です。

テーブル毎に一名ベストドレッサーを選び、ステージで一人ずつ猫町UG隊長のチアキさんが今日のポイントを伺います。

仮面といえども実は範囲が広いのです。

女性のスタンダードなレースのもの、舞台で使ったゾロの仮面、ヤクザ風の黒マスク、アニメのモチーフ、さっき総合スーパーで買ってきた下着まで……!

受賞者にはチアキさんお手製の課題本を入れるにぴったりの巾着がプレゼントされました。(あの厚い『人妻肛虐全書』も前後編二冊入るサイズです♪)

 

 

休憩を挟みまして後半は都築響一さんによる講演会。

と、その前に、急遽肛虐のレクチャーが始まりました。

これは猫町UGサポーターのヘイデンさんが今日の課題本の参考にと私物の肛虐道具を持って来て下さったのを見て、都築さんの提案で挟まれたものです。

ヘイデンさんによる実際の道具を紹介しながらの説明はとても刺激的。

猫町UGならではの一幕になりました。

 


 

道具を片付けましたらいよいよ都築さんの講演です。

 

今年30周年を迎えるフランス書院文庫の特長や、官能小説のタイプ、人気ヒロインの属性。

義母で女教師で隣人妻だとモテる?!都築さんの冗談を交えた語りに会場から笑いが起こります。

官能小説ビギナーの方もこの講演でフランス書院文庫に詳しくなったこと請け合いです。

話は最後に官能小説から現実で性を楽しむ人たちへと至りました。

これまで仮面を付けて外界から隔離されたような地下会場、非日常の世界を楽しんできたわけですが、実は普段の日常のすぐそこにこそ妄想を超えた世界が広がっているのかもしれません。

 


 


 


 

話は尽きることなく懇親会もほとんどの方が参加され、大いに盛り上がりました。

読書会、講演会、懇親会を通じて官能小説の楽しみを新たに発見した一日となりました。

 


 

texted by ささやか

Photo by やま

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