猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018 年06 月24 日(日曜日) 受付開始16:00 読書会 16:30~18:30
- 第101回 東京文学サロン月曜会 サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」
毎月恒例、猫町倶楽部東京文学サロン月曜会も6月24日の開催で101回目となりました。
開催日は梅雨真っ盛りで、前日から雨が降り続いていましたが、昼前にはすっかり止み、絶好の猫町日和に。会場はいつものように代官山chano-ma、課題本はサミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』です。
読書会は16:30からですが、本番前にもっと話したい! 色々な人の話を聞きたい! 時間間違って早く来ちゃった! という人のために、15:15から欲張り読書会が開かれています。
欲張り読書会の様子です↓
16:00からは受付が始まり、参加者が続々と入ってきました。
『ゴドーを待ちながら』は月曜会では珍しく戯曲作品。しかも内容は、登場人物の2人がゴドーという謎の人物をひたすら待つだけというもの。なかなかとっつきにくそうですが、それでも約80名の人が参加してくださいました。
まずは主催者のタツヤさんが挨拶。
注意事項の説明後、待ちに待った読書会です。今回は12のグループに分かれて作品について語り合いました。その様子はどんな感じなのでしょうか。ちょっと聞いてみましょう。
――どのような話題が出ていますか?
「ゴドーとは誰なのかという話がありました」
――何か、神じゃないかという説もあるみたいですけど。
「そうですね。神かもしれないと言う人もいれば、別の人物かもしれないと言う人もいました」
――ふむふむ
「でもあるいはゴドーというのはもっと抽象的なものなのかも……」
――まあ、人は皆、自分にとってのゴドーを待ち続けているのかもしれませんね。
「は、はい(何を言っているのだろう……)。私はゴドーについては良く分からなかったんですけど、ゴドーを待っているヴラジーミルとエストラゴンの2人の掛け合いが好きでした」
――なるほど。そうだ、この会場はフリードリンク制で、今回はお菓子も好きなものを選べるから、紅茶でも飲みながら話しましょう。(咳払いをして)これぞまさに、ゴゴ―の紅……
「あ、私はコーヒーにします」
「(プチたい焼きを食べながら)私は読書会って慣れていなくて、課題本も読んだけどあまり理解できなかったから不安だったんです。でも来てみたら私と同じこと思ってる人も多くて安心して話せました。それに、自分一人では分からなかったことをみんなに聞くこともできたし」
――それはよかった。
「芝居も見てみたい。でも用事があるからすぐには無理かも」
――用事?
「ゴドーを待つのさ」
――ああそうか。
猫町倶楽部のルール「他人の意見を否定しない」を守りながら、話は盛り上がったようです。
さて読書会終了後はベストドレッサー賞の発表。著者のサミュエル・ベケットはアイルランド出身、この戯曲はフランス語で書かれ初演もフランス、ということで、今回のドレスコードは英または仏。
見事選ばれたのはこちらの方々です。
国旗のトリコロールを意識した人や、ベケットの絵を描いてきた人。皆さん思い思いにドレスコードを表現していました。
19:00からは同じ会場で懇親会。料理や飲み物で楽しみながら、ベケットのこと、好きな本のこと、あるいは他の趣味のことなどなど、自由に語らいます。
chano-ma会場ではおなじみの、猫町堂古書店も開催されましたよ。自分の手持ちの本を、他の人が持ってきた本と交換することができます。
今回は本の入れ換え多めで、いつもと違った本も入ってきております。ぜひお立ち寄りください。
お名残り惜しいところではありますが、21:00で懇親会は終了。まだ話し足りないという人は、W杯の日本対セネガル戦直前という時間帯の中、代官山から渋谷方面へと、三次会に出かけて行ったのでした。
―完-
【次回予告!(元気よく)】
次回の猫町倶楽部東京文学サロン月曜会は、皆様お待ちかねの浴衣読書会です!
時は7月29日(日曜日)、受付開始14:30
場所は東京 清澄公園、清澄白河駅徒歩3分
課題本は九鬼周造『「いき」の構造』
楽しい庭園散策もできますよ。
そんなこと言ったって浴衣なんて持ってないし着たこともないし……、という人も、これを機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。
多数のご参加をお待ちしています!(参加申し込みはお早めに)
記:たかはし 写真:マヤ