猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年12月15日(土) 15時〜
- 2018名古屋合同クリスマス読書会&パーティ
師走の穏やかな土曜日、名古屋猫町倶楽部クリスマス読書会&パーティーを開催しました。
昨年よりも20名ほど増えて194名(初参加も11名!)。今年も大盛況です!
会場は地下鉄千種駅から徒歩1分の千種GRILL。
サポーターお手製の名札や各課題作品のポスター、そしてキュートなサンタもお出迎え!
開始前には初参加~3回目までの「ビギナー向け説明会」も開催しました。
今回はちょうど名古屋シネマテーブルが100回を迎えるのを記念し、課題の6作品は全て映画関連となっています。また、作品ごとにドレスコードのカラーを設定し、当日の服装に取り入れていただきました。
色とりどりのみなさんで埋まった会場に、
オープニングは…やっぱり!「ボヘミアン・ラプソディー(Queen)」♪
いよいよ読書会の始まりです。
◆まずは赤いドレスコードの大軍団『キャッチャー・イン・ザ・ライ』のテーブルの様子を覗いてみましょう。
『ライ麦畑でつかまえて』の邦題でも知られるJ・D・サリンジャーの名作。青春小説の古典として世界中で読み継がれています。
どのテーブルでも出てきたのは『中二病』というワード。「67年前のアメリカで出版された本が、現代日本の俗語にぴったり当てはまるというのがこの本の普遍性を表している」との意見もありました。そんな主人公に「共感できた」という人もいれば「自分の汚い部分を思い出して、読むのが辛かった」という人も。
◆白い個性的なドレスで集まったみなさんは『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』カール・イグレシアス著 のテーブルです。
カリフォルニア大学の人気課外授業の邦訳。
「面白い作品は、なぜ面白く感じるか」を構造的に解説した本作。それを分かりやすく説明しているのは凄い。それゆえに「ここまで説明されると冷めちゃう!」という人もいれば「映画をこれから分析して観ることができる!」という人も。
「脚本術の本だけど、ストーリー作りの方法は就活の面接とか、仕事のプレゼンとかに活用できそう」という意見もありました。
◆次は『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』のテーブルです。ヒップホップのプロフェッショナルが、ビギナーにもわかりやすくラップについて論ずる「ラップ史の教科書」とされる本です。
テーブルにはサポーターの力作、ラップ史年表!
「ラップというと特別な音楽のように思っていたが、CMやアイドルソングにも取り入れられており、自然に耳にしていた曲だったことに気付かされた」
「アメリカのラッパーの怖そうなイメージが払しょくされた」
「『8マイル』などラッパーを主人公にした映画を観た時の、真剣に詩を書く姿やラップバトルなどの雰囲気がわかり理解が深まりそう」
と、「ラップについて詳しく知ることができた」という意見が多かったようです。
こちらのドレスコードはイエローまたはゴールド!華やかでクリスマスっぽいですね。
◆ブルーをそれぞれに着こなしたみなさんは『複製技術時代の芸術』のテーブル。
映像や写真と言った芸術の可能性について論じた思想家ヴァルター・ベンヤミンによって書かれた芸術論。1936年に書かれた評論で、後のメディア論などに多大な影響を及ぼしたと言われています。
「複製芸術(映像、写真など)が登場し始めた時代に書かれた本で、本物と複製物の区別がつかなくなってきている現在に読むとより興味深かった。」など、書かれた当時と現在の違いについての意見が多かったようです。
また翻訳のせいか、その文章の難解さに苦戦した人多数!中には英語版を読んで、翻訳版との違いに言及した人もいました。
◆キュートなピンクがきまってますね!
こちらは『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』のテーブル。その悪趣味さ、下品さで、伝説のカルト映画として知られる『ピンク・フラミンゴ』の監督ジョン・ウォーターズが自らの生い立ちを語り、「美しい悪趣味」の作り方を論じた本です。
宗教や時代背景、魅惑のディヴァイン、フラミンゴの意味は?など多岐にわたる話題で盛り上がりました。「悪趣味な映画を笑いとばして観ると浄化される気がする」という人や中には冒頭からの過激な描写に「読み始めて選んだことを後悔した(笑)」という人も…。
◆最後に唯一の映画作品『ヘレディタリー/継承』アリ・アスター監督 のテーブル。
「現代ホラーの頂点」と国内外で絶賛される話題のホラー映画です。
「全く先が読めなくて、怖さも倍増」
「びっくりドッキリさせるタイプではなく、いたたまれなさ、不気味さで勝負するホラー。」「各所に用意周到に配置された伏線が効いてる。いろいろわかっている2回目の方が怖い。」「家族同士のいざこざや、毒親が怖い!」
と、みなさん「怖い!」と高評価だったようです。
ドレスコードはグリーン。王冠…のワケは映画を観た方ならわかるかな?
というわけで、クリスマス読書会はいずれのテーブルも多彩な映画作品にも話が及び、にぎやかに話はつきません。
さて読書会のあとはいよいよクリスマスパーティー。お料理はどれも美味しそう!
20世紀フォックスのテーマとともに、「超かっこいい!」「かわいいー!」の大歓声。『時計仕掛けのオレンジ』のアレックス姿の2人組がパーティを進行してくれます。
まずはベストドレッサーの発表!さきほどの課題作品ごとにもっとも輝いていた方に特製プレゼントを。
おめでとうございます!
次は「お名前ビンゴ大会」!ビンゴ用紙の9マスの空欄に名前と思い出の映画を書いてもらって、映画の話で盛り上がっちゃいました。「会場で一番目立っている人」、「一緒に映画を見に行きたい人」などが指定されているマスもあり、みなさん、初対面の人にも気軽に話しかけて談笑しながら名前を書いてもらっていました。
ビンゴになった人には各分科会リーダーから思いを込めた品がプレゼントされます。
中でも特別ゲスト、あの『野ブタ。をプロデュース』著者、白岩玄さんからのプレゼントは、自著『たてがみを捨てたライオンたち』のかわいいイラスト付きのサイン本!!…羨ましい。
なんと2月には白岩さんにもご参加いただいて名古屋月曜会で読書会が開催されるそうです。
そしてクリパ最大のイベント、本のプレゼント交換。ペアになった人とお互いに交換します。いったいどんな本が手元にくるのか…ドキドキの時間です!
プレゼントの後、その本への想いを貰った相手から聞けて、逆に相手に話せて、とても楽しい交換会となりました。
mixiに『2018クリスマス読書会でこんな本もらいました/あげました』のトピが立っていますので、ぜひあなたの本もご紹介ください。
プレゼント本交換会の後はお酒と料理を楽しみながら、課題作品について語ったり、普段あまり顔を合わせない他の分科会の人と歓談したり、その日始めて会った人と友達になったり…。猫町倶楽部のよいところは、こういった時間に交友関係が増えていく事ですよね。
この3人で始めたシネマテーブルもこの日で100回!今では東京・関西でも毎月賑やかに課題映画について語る会が開催されています。
最後はみんなで集合写真!
大盛況のなか、クリスマスパーティーは閉幕となりました。
全文科会合同のクリスマス読書会&パーティー、いかがだったでしょうか?
今回楽しかった!という方は是非定例会にもご参加ください。
猫町倶楽部はもちろん始めての方も大歓迎。常連さんも、最近ちょっとご無沙汰でもご気軽に足をお運びくださいね。新たな友人、新たな学びに出会えるはずです。
新年の名古屋猫町倶楽部は1月7日(月)の源氏物語読書会よりスタートです。
来年も魅力的なイベント&定例会がいっぱい!
お申し込みはこちらから
またどこかの猫町でみなさまとお話しできるのを楽しみにしております。
文:のぐち、うえじ、ヴォート、okko
写真:なおこさん、Yuki、okko