猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2019年5月25日(土)
- 長編読書会『源氏物語』スピンオフ会 『あさきゆめみし』読書会
全国各地で8月並の最高気温を記録した2019年5月25日土曜日。
猫町倶楽部の本拠地「Jazz茶房 靑猫」では外気温を凌ぐ熱い熱い読書会が行われました。
2018年5月から2019年4月まで毎月開催した「名古屋文学サロン月曜会 長編読書会『源氏物語』」のスピンオフ企画、大和和紀さんの漫画『あさきゆめみし』(講談社)の読書会です。
長編読書会中から開催の要望が多く、今回の開催となりました。
当日は17名、うち男性が3名、関西猫町から1名のご参加をいただきました。
原作の「源氏物語」の読了は条件ではありませんでしたが、猫町で読了されたり、読了を目指して鋭意読書中だったりと、かなりの“源氏通”のみなさんが集まりました。
日にちが合わなくて泣く泣く断念した、という声もちらほらと聞こえ、この漫画が源氏物語のファンにも深く愛されていることを実感しました。
『あさきゆめみし』は1979年から月刊『mimi』(講談社)で連載開始、1993年に完結。現在は、コミックス(全13巻)、大型版(全7巻)、文庫版(全7巻)、完全版(全10巻)が出版され、累計売り上げは1700万部を超えています。(wikipediaより)
ということで、会場にはコミックス、文庫本、完全版がズラリと勢揃い。
参加者も、猫町で源氏物語を読了してから初めて読んだ人、『あさきゆめみし』で『源氏物語』を知った人、連載開始からリアルタイムで読んできた人(!)等幅広く、いやが上にも盛り上がりました。
こちらで笑いが起きたかと思えば
こちらでは真剣に話し合い。
源氏物語を読んできた猛者たちがどんな視点で『あさきゆめみし』を読んだのか、一部をご紹介します。
まずはしっかりと描きこまれた建物や衣装、調度品の数々、1コマ1コマに感嘆の声が上がります。
連載が始まった頃はまだ当時の生活様式についての資料が少なかったそう。
当時の衣装に詳しい参加者からは「ほとんど間違って描かれていないと思う」と賞賛の声。
どれだけのリサーチで書かれたのか、思いを馳せます。
次に、登場人物の描かれ方の違いについて。
長編読書会では賛否両論で盛り上がった、光源氏、薫、匂宮等の男君達のキャラクターが親しまれやすいように魅力的に描かれていることが指摘されました。
特に「あの薫がマイルドになっている!」という声が多数。
それは…物足りない?のでしょうか(笑)
紫の上、朧月夜、葵の上、六条御息所始めとする女君達はそれぞれの心理描写がより深くなって、思わず感情移入してしまったという感想がありました。
キャラクターのイメージが変わった、という人も多かったようです。
『あさきゆめみし』の中には原作にはない独自のエピソードが幾つもあります。
それらについて、なぜ必要だったのか、どういう効果を生んだのか、少女マンガというフィールドがどのように影響したのか、原作を逸脱しないための工夫やその緻密さについて等も熱く語り合いました。
関西猫町の課外活動で橋本治さんの「窯編源氏物語」を読まれている方からはこれまでの現代語訳との違いを伺い、そちらも大変興味深かったです。
そんなこんなを語っているうちにあっという間に終了の時刻。
「まだまだ話し足りない!」と参加者の顔にありありと書いてありました。
1年余に渡って盛り上がった「長編読書会『源氏物語』」は今回で一旦幕となります。
本当に多くの方にご参加いただき、サポーター一同、感謝感激の1年でした。
ありがとうございました!
また同窓会的に集れるイベントを企画したいと思っています。
情報はmixiにて公表しますので、mixi未登録の方はこれをきっかけにご登録いただき、「読書会◆名古屋文学サロン月曜会」のコミュニティにぜひ参加してください。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
完。
文責:ゆうみ
撮影:okko、カノン、ゆうみ
源氏物語読書会サポーター:okko、あじさい、あきタマ、カノン、ジャスミン。、ゆうみ