猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2019年12月14日 (土)
15:30~17:30 読書会/18:00~21:00 パーティー - 名古屋猫町倶楽部 クリスマス読書会&パーティー 2019
私はケイコ(仮名)、猫町倶楽部で「サポーター」をやってるの。サポーターっていうのは猫町で読書会等を運営するボランティアスタッフのこと。「サポ」って呼ぶ人も多いわね。
これから古い友人のマナミ(仮名)と「クリスマス読書会&パーティー」(通称、クリパ)に行くの。
ちゃんとした開催レポートも書くから安心して。急いでる人は会場の「千種グリル」に先に行ってもいいよ。
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「遅かったじゃない」
午後1時過ぎ ―― クリパが始まる2時間前、私とマナミは千種駅の目の前にあるコメダ珈琲店で待ち合わせをしていた。いつもなら私のほうが早く着くのが常なのだが、今日はめずらしくマナミのほうが早かった。
「なんでサポーターのあたしより、初参加のあんたの方が早いのよ」
「これ、読んでたから」
そう言ってかざしたマナミのスマホには、Kindleアプリにダウンロードされた『読書会入門』が映っている。
「あきれた。ホントに昨日の今日で参加するのね。あんた、ちゃんと申し込んだの?」
「昨日やったわよ」
お申し込みは余裕をもってお願いします…という言葉が喉まででかかったが、飲み込んだ。早く申し込んでくれた方が運営側の苦労(というか混乱)は減るが、何より一人でも多く参加して欲しいというのが素直な気持ちだ。
また、マナミは普段本を読まない。映画はたまに観にいくのでシネマテーブルに誘ったことがあるのだが、「そんなお金と時間があるなら、もう一本映画を観た方がいい」とけんもほろろに断られたこともある。
そんなマナミが昨夜急に「クリパ参加する!」といって連絡してきて、私に申し込み方法やKindleの使い方などをあれやこれやと聞いてきたのだ(サポの仕事が残っていたのですごく迷惑だった)。しかも選んだのは映画ではなく「著者がいるならサインくらいもらえるやろ」という(セコい)理由で『読書会入門』。まあどんな形であれ、本を読んでくれること自体は嬉しい。
「それでどこまで読めたの?感想は言える?ハンカチ持った?」
「親か!まだ読んだのは70%くらいだけど…結構面白いわよ。何よりこのタツヤっていう人? 読書会の主宰っていうからどんなガチガチの文系オタクかと思ったら、結構な遊び人じゃないの」
そうなのだ。『読書会入門』を読まれた方はわかると思うが、この本には猫町倶楽部の主宰であるタツヤさんの学生時代のエピソードが多くでてくる。私が読了したのは1ヶ月ほど前だが、今感想を聞かれたら「本の内容の1/3は六本木の話だった」と答えるだろう。
「それだけ理解してれば十分よ」
「あたし読書会でたことないけどさあ、これで十分ってことはないんじゃない?」
まあ細かい感想は読書会で言ってくれればいいから…といいつつ時計を見たら、もう1時40分をまわっている。
「ゴメン、あたしもう行くわ」
「サポーターは2時に集合だっけ?頑張ってね~」
「あんたもちゃんと読了しなさいよ」
そう言って、私は今日のために用意した白色のコート(クリスマス仕様❤)を手に取り、さっさと店を出た。
そして、会場への道すがらコートを羽織り、ボタンをとめた時にふと「そういえば、なんでマナミは急に参加するなんていいだしたんだろう?」と頭にうかんだ。おおかた婚活界隈では有名(?)な猫町のネット記事でも読んだのか。それとも…
クリパが終わった後、私がアイツに告白するのを、物見遊山しにきたか。
まあ、そんなことはいい。今は全力でクリパに専念するのみだ。しかも今年は、開催レポートの担当である。
さて、どうやって作ったものか…
そんなことをウダウダと考えている間に、会場である「千種グリル」に到着した。
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なんだかんだで2時きっかりに会場に到着したけど、すでに殆どのサポーターが集合し、準備の真っ最中であった。
店内もすっかりクリスマス。
着たばかりのコートを急いで脱いで作業に取り掛かるも、準備の半分以上はすでに終わっているようだった。
そして、事務仕事をしながら出来上がっていく会場を見ていたら、早くも感慨深いものが込み上げてきてしまった。
みんな、よく頑張ったな…
内輪の話になってしまうけれども、ちょっとだけ聞いておくれ。実は、サポのみんなはクリパの準備を1ヶ月以上も前からやってきているのだ。
こういった全体ミーティングから、
美術班、読書会班、パーティー班、広報班ごとに集合して話し合いも。
で、今でも覚えているのが、全体ミーティングの時のこと。私なんかは「ミーティングを理由にみんなに会える♪」とお遊び気分で参加したのだが(屑)、会議室に入っていきなり
「これ…作ったんですけど…こんな感じで大丈夫ですかね…?」
って、とんでもないクオリティーの名札みせられて、正直「これマジ?」って思ったから。
またその後も司会担当の方やアシスタントを中心に会議がガンガンまわっていき、「あかん、この(遊び気分の)ままじゃ、やられる…」って思ったからね。
で、なにがすごいかって、こんだけガンガンやってるみんなが、ほぼ全員イベントに関しては素人だってところ。もちろん去年までのフォーマットはあるけど、繰り返しにならないよう、毎年基本ゼロベースから知恵をしぼって考え直してこのイベントは作られているのだ。
だから…
本番は、グダグダでもいい。トラブルも全然OK!(よっぽど酷いのは困るけど 笑)
サポーターと、参加者の皆さんも含めて、これだけの思いで作られているパーティーが、成功しないはずないからね。
今までの努力を思うと、ガラにもなくそう思えてならない。
「それでは間もなく開場しま~す。その前にサポーターだけで写真を撮りましょ~」
おっと
作業をしつつボーっとしていたら(屑)、アシスタントの適度に力の抜けた声が聞こえてきた。
いかんいかん。また妄想にふけってしまった。年を取ったか、苦労話が身に染みる…いや…
これは、「こんなにいいメンバーと仕事できたぞ!」っていう私のちょっとした自慢話、だな。
これから、待ちに待ったクリスマス読書会&パーティーが始まるよ!
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世間が「クリスマスまであと少し…」というところで、名古屋には一足早いクリスマスが!
さあ、今年もやって参りました猫町のクリスマスパーティー!
今年もなんと総勢180名近くの方にご参加いただきました!開場の午後3時には、早くも参加者の方がご来場です!そして…

猫町クリパといえば、プレゼント本交換!ということで、今年は交換する前に、舞台の特設ステージに本を並べることにしました! ツリーを彩るかのように並べられたプレゼント本は、とっても素敵なデコレーションですね!多くの方が見たり写真を撮ったりして楽しんでいました!

皆さんが用意したプレゼント本のタイトルと著者名が書かれた付箋を貼ったツリーのデコレーションです。付箋の一枚一枚から本を選んだ人の思いが溢れています。

やや、そうこうしている間に、早くもクリパ開始のお時間です。まずは主宰のごあいさつ。

今年は猫町倶楽部の副代表であるパクちゃんも参加してくれました!
二人だと、いつもとっても楽しそう 笑。


そして、クリスマスにふさわしいステキなエンジェルコーデと、全くふさわしくないメタルコーデの二人の合図で、第一部・読書会のスタートです!

そう、ここは猫町倶楽部。いくらクリパとはいえ、課題作品を読んでこなければ参加できません! 読書会を乗り越えてこそ、楽しいパーティーが待っているのです!(あ、もちろん読書会も楽しいですよ 笑)
そしてなんと私、この開催レポートを書くために、課題本と課題映画を全部制覇してまいりました!
そのほうが、開催レポートのグレードが3段階くらいあがるだろう!と思っての所業ですが、このことを信頼できるサポ仲間に話したときに
「え?そんなことしても意味ないんじゃ…」
まあいいです(涙)。せっかくだから、全ての課題作品のテーブルにインタビューを決行いたします!
まずはアウトプット勉強会のテーブル『影響力の武器』から行ってみましょう!

お洒落な扉を抜けると、そこはアウトプット勉強会のテーブルだった。
さて、この『影響力の武器』なんですが、私がアウトプット勉強会のサポだと言うことを抜きにしても生粋の名著です!本自体は古く、今世間で売れているビジネス本の元になっているのですが、なによりも各議題につくエピソードが素晴らしい!早速インタビューしていきましょう!
―― こちらのテーブルではどんなお話が?
まず、満場一致で「読んでよかった本」だったね。今でもビジネスに十分使えるし、逆に消費者としては防御策がとれるようになっているところも素晴らしい。
―― ですよね! 最近のビジネス本違うところなどはありますか?
単にテクニックを紹介するだけでなく、その背景にある人間心理を丁寧に書いていること。また作者を含めた失敗談を沢山交えているところも、わかりやすさの一因だと思う。
―― この本、分厚いので、敬遠されている方もいると思うのですが…
確かにビジネス本には厚くて難しい本もあるけど、この本は本当に誰でも読めるほどわかりやすく、また面白いところが名著なんだと思うよ。うちのテーブルでは、「それは返報性の原理を使えば…」なんて早くも参加者同士でアドバイスをしていたし。それくらい「使える」本なんだね。
―― ありがとうございました!
アウトプットのテーブルでは大好評だった『影響力の武器』。みなさんも、ぜひ読んでみてくださいね!

では続きまして、お隣のフィロソフィア『AI時代の労働の哲学』にいってみましょう。
この本の著者である稲葉振一郎氏は社会学分野のトップランナーでありまして、猫町でお馴染みの吉川浩満さんとも交流があり…つまり、本には何が書いてあるかサッパリわからないということですね(Q.E.D.)。
題名から想像されるほどにAIの話はなく、総じて資本主義に対する考察と、そこから検証された価値観が書かれている…ように思います(不安)。それではいってみましょう。
―― この本、難しいですよね?
ウチのテーブルでも、みんなサッパリわからなかったよ 笑。
―― ですよねー(安堵)
でも、わからないなりに一生懸命読んでみんなと話をすると、色々な考えが出てきて面白いよね。
―― そこが猫町読書会の醍醐味ですよね!どんなお話がでましたか?
本の論調では「AIに人権にあるのは当然」というような帰結だったと思うけど、テーブルで「AIが進化することによって、人間というものが再定義されるのでは?」っていう話題がでたのが興味深かったな。あとこの本を触媒に、みんなとそれぞれの労働環境を説明しながら振り返ることができたのは有意義だったよ。
―― いいなあ。難しい本ほどなんとか読了した参加者の絆が強まって(笑)いい話ができたりするんですよね。お隣のテーブルは?
こっちは割と詳しい人がいてね。「大きな資本主義」とかになってくるとついて行くのが大変だけど、それでも面白い話が聞けてよかったよ。
―― 読書会での独演会は禁物…ですが、面白い人の話は面白いですよね 笑。慣れた方だと上手に話を振ってくれるので、いい読書会になりますし。ありがとうございました!
さあ、難しい課題本のコーナーを抜けてホッとしております(正直)。

続けてお隣のシネマテーブル『ラストクリスマス』へ。
こちらの作品、パッとみただけではクリスマスのベタベタな恋愛映画で、私なんかは「こんなもん一人でみてられっか」と思っていたのですが(正直)、実際に観るといい意味で予想を裏切られる形となりました。
ただ、それでも私にはピンとこない映画だったこともたしか。そんなときでも猫町は、つまらないと感じてもつまらないなりに話し合うのが流儀。いってみましょう!
―― こちらのテーブルでは、どんな評判でしたか?
みんな好評でしたよ。まさにクリスマス!な誰がみてもハートウォーミングな映画だと思います!
―― へー(棒)。まぁつまらなくはなかったですけど。
そうなんですか?ウチのテーブルの男性なんか「久しぶりに感動して泣いた」って言ってましたよ。
―― 私も、ちょっと泣きました。
泣いたのかよ!逆にどんなところが引っかかったんですか?
―― 『ジョーカー』のときも思ったんですが、安易に「社会問題取り上げときゃええやろ」っていうのを感じちゃうと、興ざめしてしまうんですよね。私にとってのアメコミのダークヒーローは、ただの快楽殺人者で十分ですし、今回の映画でも社会問題が「恋愛のエッセンス」程度に入ってるのがちょっと…て感じでしたね。
なるほど。でも、例えばホームレスの方が出てくるシーンで、ホームレスのほとんどが白人で、ボランティアスタッフが恐らく移民の方なんですが、そういうところも今のイギリスのリアルをちゃんと描いてたりするんです。
―― へえ、そうなんですか。(全然きづかなかった)
あと社会問題についても、深刻に論ずるのでなく、こうやって朗らかなムードのままで表現することも、とても意義深いことだと思いますね。
―― そ、その通りだと思います。(感涙)
もし「途中で泣いた」とおっしゃるなら、あまり余計なことを考えずに、たまには素直に映画をみるのもいいんじゃないでしょうか。
―― し、師匠!ありがとうございました!
いやー、いい映画だったですね(熱い掌返し)。いや真面目な話、こうやって自分と違う視点と出会って作品の良い部分をみつけられるのは、素晴らしいことだと思っています。
さてさて続いてのテーブルは…

おお、ここは我らが主宰、タツヤさんの著書『読書会入門』で行われる初心者限定のテーブルです。(サポが作ってくれた、課題本をビールジョッキに見立てたデザインがとってもキュート!)
このフレッシュなテーブルに、猫町3年目の荒んだ私なんかが交ざるわけにはいかないので、ここは聞き耳を立てて、意見だけを聞くことにしましょう。
「勇気を出して来てよかったです!」
「私なんか、参加するのに2年も迷ってました 笑」
「違う人の意見を聞くのってこんなに楽しいんですね!」
うんうん、フレッシュフレッシュ。猫町の良さを楽しんでもらえて本当にうれしい。
「この本を読んで、六本木に行ってみたくなりました!」
…なにその面白い意見!こうやって、次々と新しい逸材が生まれてくるのか…
猫町は、今後も安泰ですね 笑。
さて、老兵はそそくさと去りまして、

続いては藝術部の『アート思考』です。
こちらの本は、「アートは常に新しい視点を求めており、その視点はビジネス等に活かすことができる」といった論調から始まり、加えて仕事上での実例なども挙げられますので、ビジネスの観点からも切り込める内容となっています。が、トータルでみると、私は「現代アート入門」というような印象を受ける本でした。
私自身、芸術(特に現代アート)とは縁遠い生活を送って来ましたが、一年半くらい前から藝術部に参加するようになり、おかげで段々とその面白さがわかるようになってきました。さて、テーブルではどんな感じでしょうか。
―― こちらはどんなお話を?
え?ちょうど今、「現代アートがわかる人って、逆に…」みたいな話で盛り上がってました。
―― 逆になんなのかは聞かないでおきましょう 笑。普段はどんなものがお好きなんですか?
藝術部にはよく参加するほうなんですが、好きなのは印象派の絵画で、現代アートはあんまり…っていうか、このテーブルは誰も好きじゃなかったですね。
―― いくら芸術が好きでも、好みはそれぞれですからね。本の内容としては?
やはり、ビジネス書としてのわかりやすさが良かった反面、アート書としては、もっと図版などが欲しかったですね。
―― 確かにアートというよりも思想書という印象が強いですね。
あとは、せっかく芸術好きが集まったので、オススメの作品とか美術館を紹介しあいっこしました 笑。
―― それは楽しそう!ありがとうございました!
さあ、突撃インタビューも、いよいよ佳境に入って参りました!

続いては、一番参加人数が多かった『うたかたの日々』です。
ちなみにこちらのテーブル札、各テーブルに置かれています。写真立てにもなる職人の力作なんですが、あまり褒めると来年の制作予算の拡大を求めてくるので程々にしておきます 笑。
さて、毎年クリパでは月曜会(文学)の参加者が一番多いのですが、だからといってみんなが面白いと思うものが課題本になるわけではありません。
とくに、今回の作品はファンタジー(SF?)ということで、私も読んだときは「これは好みが別れるな…」と感じました。さあ、テーブルではどうでしょうか?
―― お、ファシリテーターご苦労様です!どんな感じでしたか?
うちのテーブルでは、面白いと思った人は少数派だったよ。僕もよくわからなかった方なんで、ファシリでよかった 笑。
―― ファシリだと、自分に意見がなくても人に振れますからね 笑。どんな部分がわかりにくいんでしょう?
「肺に睡蓮の花が咲く病気」とか「カクテルを作れるオルガン」とか。そういったファンタジーをファンタジーだとそのまま受け止められるといいんだろうね。僕なんか「まぶたをパチンと切る」という場面で、何回も眉毛じゃないの?って見直しちゃったから。
―― 私も最初は戸惑いました 笑。でも2回目に読んだときはすんなりと入って来ましたね。
そう!このテーブルでも「2回目のほうがおもしろかった!」という方がいました。やっぱり、その独特の世界観に入り込めるかどうかがカギだよね。好きな人は「まぶたを切ったところで引き込まれた」って言ってたから。
―― なるほどありがとうございます!

おや、隣のテーブルでは映像を覗き込んでいるぞ…
―― 何を見ているんですか?
この作品は映像化もされているので、ちょっと画像を。とても映像化に向いてるんですよ。
―― 知らなかった!ぜひ見てみたいです!あとこのテーブルではどんなお話がでましたか?
この作品が書かれた当時のフランスは大戦後なので、そのころの空気が出ているのではないかと。あと登場したパルトルは、実在の哲学者サルトルのパロディで、登場フランス国民がなんでもサルトル頼みだったことをよく現してると思います。
―― おお、そういった観点から作品を見ることができると、より面白いですよね。他にはなにか?
テーブルの女性から「コランはマジ女心わかってっから。男性諸君は見習うように」なんて話題もでました。
―― どこの部分なんだろう、あとで詳しく聞きますね。ありがとうございました!
いやあ、人数が多いのでインタビューも大変です。でも、その分色んなお話が聞けてよかった。
そして、読書会レポの大トリを飾る作品…それは…

猫町UG(アンダーグランド)の課題本、マルキ・ド・サドの『閨房哲学』です!
こちらの作品は…細かい内容の描写は避けますが 笑、インモラルで苛烈な性描写と、その正当性を主張する哲学が交互に織り成して絶妙なハーモニーを奏でており、私のなかで間違いなく一番おもしろかったクリパ課題本であります。
またこういった題材で読書会ができるってのが、猫町の素晴らしいところですよね。ああ…私もアウトプットのサポでなければ、ここに参加したかった…
さあ、放送コードが不安ですが、最後のインタビュー、行ってみます!
―― この課題本で、どんなお話がでましたか?
こちらのテーブルは(UG的に)初心者の方が多く、よくわからなかったとか、こういう機会がなければ読まなかったから読めてよかった、などの意見がでました。
―― こういった話題に疎くても、意見交換ができるのはいいですよね!もうちょっと過激な話題は出ませんでしたか?(ワクワク)
サドの他の作品よりは読みやすかったとか、窃盗や中傷を正当化する部分にたくさん付箋を貼った、なんて方もいましたね。でも、過激さならもう一つのテーブルのがすごいかも…
―― 本当ですか?ちょっと行ってきます!…すいませーん、こちらのテーブルではどんな話題がでましたか?
やはり皆さん(ピーー)に興味をもっている方が多く、(ピー)を(ピーーー)してみたいという話で盛り上がって…
―― 早速つかえねえよ!すみません、もう少しやさしめのヤツでお願いします…
そうですね。現代こうやって色々なことが楽しめるのは、過去に偉人たちが戦ってきた結果なので感謝せねば…ということと、「抑圧あってこその快楽」なんていう意見もでましたね。その方は、自分を抑圧するためにあえてお堅い職業に就いて、その分解放した時の喜びを味わっているそうです。
―― (レベルが違いすぎる…)
また、人生百年時代に向けて、肉体的な悦びだけでなく、(空想を含めた)精神的な悦びにももっと目を向けたほうがいい、とのアドバイスをいただきました。
―― (すごく面白いけど、もうここにはいられない)ありがとうございましたー!!
はあっはあっ、これでインタビューは終わりです。どうですか皆さま!それぞれの課題本での読書会を、ほんの少しでも感じとっていただけましたでしょうか?
よかったら、普段は手に取らないタイプの本を読んでみて、読書会にも参加してみてくださいね。
はい、これにて読書会は終了となります。そしてここからは「ベストドレッサー」の選定タイム。
猫町倶楽部の月曜会では、読書会の終わりにテーブルで最もドレスコードにあった方を決めるベストドレッサーというものがあるのですが、今回はクリパということで、分科会ごとの「ベスト・オブ・ベストドレッサー」を決めていただきました。今回のドレスコードは「クリスマス」です!

そして、選ばれた皆さまはこちら!
皆様とってもステキです。おめでとうございます!
で、ベスト・オブ・ベストの方の他にも、色々な趣向を凝らした方達がいらっしゃいましたので、ここでちょっとご紹介いたします。

電飾ツリーだだ被り兄妹や

クリスマスにステキな着物で来てくれた皆様!
そんな思い思いのドレスアップがある中で、私が一際注目したのは…
さあベスト・オブ・ベストの選定も終わり、いよいよお待ちかね!パーティーのお時間です!

パーティーでの司会は、天使の羽を最後まで嫌がったのに光に照らされるゆうみさんと、天使の羽を最後まで押し付けたのに奥で闇落ちする流汐(るしお)くんの迷コンビ。

でも、ナイスコンビでしたね 笑
そして乾杯のお時間なのですが、なんと運営がスムーズにいきすぎて、グラスをもちながらも少々お待ちいただくことに。

じりじりと乾杯を待つ皆様。そして…

いざ乾杯になったときのこの躍動感よ。
カンパーイ!!!!

さて、ようやくパーティーがはじまると…

仲良しグループや

クリパで久しぶりに出会う仲間

テーブルでまったり語らう女子達などなど
皆さん思い思いの場所で歓談を楽しみます。
でもってクリパはイベントが目白押し!まずは参加者総出のビンゴ大会から!
このビンゴは、空いているマスに自分以外の方の名前を本人に書いてもらはなくてはなりません!面識のない方とも自然と交流がはかれるスグレモノ!
ビンゴカードのマスには「骨折したことがありそうな人」や「ピンヒールが似合いそうな人」といった「条件」が書かれたものもあります。該当しそうな人を探せ、探せ!!

そして、マスが埋まったら、ビンゴスタート!
ランダムに選ばれた参加者さんの名前が順番に読み上げられます。

見事にビンゴになった方は、各分科会のリーダーから素敵なプレゼントを受けとることができます。

UGのプレゼントを選んだ方は、喜んでその場で仮面をつけていました 笑。
おめでとうございます!
つづいては、TwitterのRT(リツイート)キャンペーンの抽選会です。
こちらはクリパ特設アカウントの告知ツイートをリツイートしてくれた方の中から抽選で20名にプレゼントをあげちゃおう!というもの。

3等と2等は事前抽選でしたが、1等はタツヤさんに直接クジを引いていただきます。気になる当選者は…

おめでとうございます!1等はなんと「自分の選んだ課題作品で読書会ができちゃう権利」です! どんな作品を選ぶか、楽しみにしてますよ!
そして最後はプレゼント本の交換会。今年のテーマは「愛する人と語り合いたい本」でした。

私もプレゼント本選びには相当悩みました。そんなプレゼント本のなかには…

「愛する人には生きていて欲しい」と、こんな本を送るかたも。

思いを込めて選んだ本を贈りあう、ドッキドキのプレゼント本交換会でした。
そして、名古屋の猫町クリパは、最後まで

笑顔

笑顔

笑顔で幕を閉じました!
皆さまありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします!
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パーティーの2次会は、そのまま千種グリルで行われる。まだ熱気は冷めやらぬが、サポーター達も、幾分落ち着きを取り戻し…パーティー成功の喜びを分かち合う。
よかった。色々あったけど、本当にいいクリスマスパーティーになった。参加してくれたみんなの笑顔が、ずっと目の前に浮かんでいる。
でも、
私のクリパはまだ終わっていない。もう一つ、重大なイベントが残っている。
アイツに、告白する…
大きく息を吐き、よし!と気合いを入れて、この2年間ずっと思い続けてきたターゲットをさがす。
2次会だというのにちょこまかと動き回っているので、ヤツはすぐに見つかった。ありがたいことに、パーティー中に着ていたツリーの着ぐるみは脱いでいる。
よかった。あの格好のままでは、さすがに告白できない。理由はわからないが、半ば無理矢理剥ぎ取って持ち去っていってくれたマイミクさんには感謝だ。
「ちょっと、いい?」
「おう」
本当は心臓が口から飛び出しそうだが、アイツには何も気取られずに、まるで外に用事があるかのごとく誘い出すことができた。二人とも薄着だが、構わない。時間をかけるつもりはない。
そうそう都合のいい告白のセリフなど、あるわけがないのだ。気持ちを伝えて、あとはアイツの返事次第。
当たって砕けろだ…
そう小さく呟いて、店のドアをあけた。
「どうした、なんかあったの?」
あたしの気持ちも知らないで、間の抜けた声出しやがって…
「アンタさあ、」
「はい?」
「付き合ってる人、いるの?」
言った。ついに言ってしまった。こうなってしまったら、結果はどうあれ、いままでの関係ではいられなくなる。
いや、いまさら何を迷っているのだ。ええい、ままよ!
「もしいないんだったら、あたしと…」
「いるよ」
「へえっ?」
間の抜けた声を出したのは、自分のほうだった。
「付き合ってるやつがいる、っていってんだよ」
「ええ?でもあんた前に『恋人いません』みたいなこと言ってたじゃん!」
もういい
「まあつい最近の話だしな」
「……猫町の、人?」
もういい!やめろ!私! もう終わったんだ!これ以上聞いて何になる!
「そこまで言わないとダメか?」
「いや、いい。ゴメン…」
終わったーーー
ああ、こんな気持ちになったのは何年ぶりかな。こーゆーのがメンドクサくて、恋なんてしないようにしてたのに。
ダメだ。ちょっとアタマが回らないや。
「…大丈夫か?なんか、ゴメンな」
慰める言葉までブサイクなやつだ。いや、私も意地悪はこのくらいにしておこう。
「ゴメンゴメン。もう大丈夫。ほら、アンタ女っ気ないからさ…ちょっと声かけただけよ」
私の捨て台詞も大概だな。だがもういい、あとは二人の幸せでも願って…
「女っ気がないのはしょうがないなあ。相手男だし。」
願って…
え?
いまお前、何て言った?
「ちょっと!!付き合ってる相手って男なの!?どういうこと!?」
「おっと、発言には気をつけてくれよ」
確かに!
私は多様性を体現する団体、「猫町倶楽部」のサポーターである。この令和の時代に同性愛を云々なんて、チャンチャラおかし……いやしかし!だがしかし!
「ちょっと前に読書会で、タツヤさんと同じテーブルになってさ」
何…急に、何!?
「ちょうど多様性がテーマでさ。俺タツヤさんに『猫町で色んな本読んで考えたんすけど、俺男でもいけそうです』って相談したわけ」
発言には気をつけるがこれだけは言わせてくれ。お前猫町でなにを学んだんだ?
「そしたらタツヤさんがさ、『え!メッチャ羨ましいじゃん』って言ってくれて」
えぇ…
「『だって単純に考えても人の2倍楽しめるじゃん!絶対そっちの方がいいよ』って言ってくれたんで、俺も背中押された気分でさ。まあ、今に至るわけだ」
「へー」
もともと何言ってるかわかんないヤツだったけど、今日はもう異次元の領域だわ…
なんかもう疲れた。帰ろう。
「ゴメン、ありがとう。もうわかったから、帰るわ」
「荷物、持ってきたほうがいいか?」
「いや、自分で取りに行くからいい」
正直、今は顔も見たくなければ、声すら聞きたくない。できるなら、一瞬でいいから存在も消えてほしい。
「じゃ、俺もどるわ」
「ん」
目を閉じて、アイツが完全にいなくなるのを待ってから、再び目を開けて、入口に向かった。
はぁ…これからどうしよう…サポーターの任期も終わったし、潮時かな…
そんなことを考えながら入口のドアを開けようとしたら、入口の前に、何とも迫力のある人影があった。
なんとそこには、私の荷物と白のコートを抱えたマナミが仁王立ちしていた。
「話は聞かせてもらった!」
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もう…ほんとふざけんじゃないわよ!よりにもよって何で男と付き合ってるのよ!アタシの今までの思いは何だったっていうの!女だから全部ムダだったってこと!?ありえないっつーの!! 時間と今日の美容院代とコート代とかともかく全部返せバカヤロウ!!
うん。うん。
タツヤさんもタツヤさんよ!多様性っつっても限度ってもんがあるでしょうが!自分はヘテロなのになに他人そそのかしてくれちゃってんの!こちとら小さいときから積み上げてきた人間性とか宗教観とかそんな簡単に「今は多様性の時代です~」なんてホイホイと変えれねえんだよ!だいたいそういうヤツって昔は「自分がない」とか言って敬遠されてたじゃない!ちょっと時代が変わったからって今は「自分が多様性がある」と思ってる人が多様性が無いと思える人をバカにしていい気分になってるだけでしょ!それのどこが多様性だよ!ほんとバカじゃないの!? 何なのよもう!!
うん。うん。
わかってる!わかってるわよ!誰が誰のことを好きになったって自由よ!ただアタシがアイツにフラれただけよ!その腹いせにマイノリティを叩いてるだけなのよ!普段は涼しい顔してるくせに自分に不利になったからって急にマイノリティ責めてんの!ほんと醜いわ!ほんと…ほんとに…もう…
……
……
少しは落ち着いた?
……うん。
「ねえケイコ」
居酒屋で1時間以上も黙って私の愚痴を聞いてくれたマナミは、めずらしく真剣な面持ちで話始めた。
「なんで今日、私が猫町に参加したか、わかる?」
「え?こうやってフラれた私を慰めるため…じゃないの?」
マナミには学生のときから世話になりっぱなしだ。こういうとき、いつもすぐに駆けつけて、話をきいてくれる。
あれ?でもそれだと、私がフラれる前提ってことになるわね…
「それもあるけど」
「あるのかよw」
「でも、そんなことならわざわざクリパに参加しなくても、終わりがけに外で待ってればいいじゃない」
確かにそうだ。じゃあ、なんで普段読まない本まで読んで参加したのだろう…
ポカンとする私に、マナミは「聞いて」と一言告げた。
「人と接する時は、相手の立場になって物事を考えること。これって、小学生で習うことよね?」
「うん」
「でも、それは本当に大変で、時間もかかるから、私達は表層面だけでコミュニケーションをとることがほとんど。しかも、ネットは更にそれを加速させてしまった。悪い面をね」
人がフラれた時に何を話はじめるんだこの女は…と思ったが、話ているマナミの顔は真面目そのものだった。
「そんな時代にだよ、読書会なんていう、いかにもケンカ別れしそうなグループが、十何年も運営したあげくに、クリパには200人近くも来るっていうじゃない」
そう、それは私も不思議に感じていたことだ。猫町に2年通っていても、実はよくわかっていない。
「でも本を読んで、さらに参加してみてわかったことがある。あのN宮…ナカミヤさんて人?アンタにTwitter見せられたときはビックリしたけど、実際に会うとすごくいい人じゃないの」
マナミの言う、『読書会入門』にも登場するN宮ことNAKAMIYAさんは、昔はすごかったらしいが、今は(とくに女子に対しては)やさしい。
「それって排除をしなかった結果でしょ?誰でも出来るってわけじゃないけど、それだけにあの場所は貴重よ。それに…」
それに?
「読書会の時に確信したわ。ああ、『人の意見を否定しない』っていうのは『相手の立場になって物事を考える』ってことを、最大限速く、効率的に実行できるルールなんだってね。だから…」
だから?
「あんた、もうちょっとだけ、あの場所にいなさい。あそこはあんたにとって、必要な場所よ」
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帰りに駅までマナミを送りしな、大事な質問があるのを忘れていたことに気がついた。
「そういえば、あんた今日は楽しかったの?」
「楽しかったわよ。色んな人がいて」
イイ男はいなかったけどね、と言って、マナミはホームに消えていった。あ、これもう猫町に来なくなるやつだ。まあいい。来るものは拒まず、去るものは追わずってね。
そして駅から一人、とぼとぼと歩いて帰る。
今日は長い一日だった…
走馬灯のように思いが駆け巡るなか見上げた空には、冬の美しい星達が満天の輝きをみせていていた。
色んな人がいて、か。
そう、猫町には、私と気の合う人もいれば、苦手な人もいる。
もちろん逆に、私のことを好きだったり、考えが合わないと思っている人もいるのだろう。
そんな場所で一つの作品に対して意見交換ができる場所は、マナミの言う通り、今の私にはもう少しだけ必要なのかもしれない。一つ「人の意見を否定しない」っていうルールだけ守ってね。
来年は、もっといい年になるといいな…
『他者との対話を求めるすべての人に』
メリークリスマス!
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文:たくま
写真:テラダユキヒロ、まりそる。、ひら、Q
編集アシスト:Q