猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2020年2月11日(火) 受付開始15:50~16:10 読書会16:10~17:40 レクチャー17:50~18:50 懇親会19:00~21:00
- 第9回 関西藝術部 宮下規久朗『カラヴァッジョへの旅』『闇の美術史』
2月11日(火)建国記念の日、第9回関西藝術部読書会が開催されました。
今回の課題本は2冊からの選択制。宮下規久朗さんの『カラヴァッジョへの旅』『闇の美術史』です。
そしてさらに、今回は作者の宮下さんをゲストにお迎えしてのレクチャーもあり、まさにカラヴァッジョ漬け。
初参加4名を含む、総勢43名(関西藝術部過去最多!)の方々にご参加いただき、賑やかなひとときとなりました。
今、読んでくださっている方の中には、「猫町倶楽部って興味はあるけど、どんな会なのかな・・・」と少し不安に思われ参加を迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、大丈夫!
今日は、猫町倶楽部の読書会の流れを順を追ってご紹介いたします。雰囲気を少しでも感じていただけたら幸いです。
●受付
読書会は1テーブル大体6~8名ほどに分かれて行います。
まずは受付を済ませ、各テーブルへ。
皆さん同じ課題本を読んできた者同士、初対面でも意外と話が弾むものですよ!
※あべのハルカス美術館で開催されていた「カラヴァッジョ展」にちなみ、会場をカラヴァッジョ展風にしようと、サポーター有志による会場の飾り付けが行われました!
(サポーターとは、読書会運営に携わるポランティアのことです!)
●読書会
各テーブルで1名、進行役のファシリテーターを決めていよいよ読書会開始です。
名前や参加のきっかけなど簡単な自己紹介を終えた後の進め方は、テーブルごとそれぞれです。
本の中で気になった部分を思い思いに話したり、ファシリテーターが「皆さんに~を聞きたい」と質問を振ったり、難解な課題本の時は「わからなかった」という話に終始するかと思いきや、思わぬ方向に話が盛り上がって行ったり・・・
ここではたった一つ、ルールがあります。それは、「他人の意見を否定しない」こと。
本の内容や作者への批判は意見としてOK!ただ、他の参加者の意見や見方に対する批判はしないことを猫町倶楽部はルールとして大切に守ってきました。
今回はゲストの宮下さんも各テーブルをまわってくださいました。
また、あべのハルカス美術館で「カラヴァッジョ展」が開催中(2/16で終了)であり、合わせて展示を観られた参加者も多く、展示品について宮下さんに尋ねる方も多くいました。
★『カラヴァッジョへの旅』テーブルの声
・(カラヴッジョ展の展示品が)真筆ではないことにショック!
・前期の作品が好きな人と後記の作品が好きな人に分かれた。
・(カラヴァッジョ展に本物は2.5点しかないという宮下さんの話を受け)
本物主義の話になり、上手に偽物を作る画家の芸術性への言及など話が広がった。
★『闇の美術史』テーブルの声
・(初参加の方)元々読書が好きでカラヴァッジョにも興味があり参加。
・「闇」という観点から美術を観たのは初めて。
・(歴史好きな方で)カラヴァッジョのみでなく、闇と光を上手く描いた多くの画家が登場し、美術史の流れが分かり興味深かった。
・宮下さんの文章に惹き込まれた。学者の域を超えて文学的。
●レクチャー
いよいよ宮下さんのレクチャーです。課題本やカラヴァッジョ展に展示された作品の画像をスライドに映していただきながらの解説でした。宮下さんの、勢いのあるドラマチックな語り口に聴き入りながらあっという間の一時間でした!
読書会から話題に上っていた、カラヴァッジョの真筆なのか?という点についても、スライドに映された絵を観ながら「カラヴァッジョは布の描き方に迷いがなくすごく上手い。これはどこから観てもカラヴァッジョではない」など、興味深い話もありました。「カラヴァッジョが描いたんじゃないのか・・・」とショックを受けた方も多かったようです(苦笑)
そこから、カラヴァッジョ云々に留まらず自分なりの美術の見方、感じ方にまで思いをめぐらせた方も多かったように思います。
最後に、あべのハルカス美術館のカラヴァッジョ展のポスターに言及されました。
◆↑の写真左側が当初のポスター。絵は《ホロフェルネスの首を斬るユディト》(部分)
右側が新ポスター。《法悦のマグダラのマリア》(部分)
新ポスターをよく見ると、右上部に一言、「赦したまえ」。
最初このポスターを見た時、おそらく画題のマグダラのマリアにちなんでの「赦したまえ」なのだと思っていました。
今回の展示は、当初の目玉作品であり、旧ポスターに取り上げられた《ホロフェルネスの首を斬るユディト》の来日中止という事態がありました。
何とその事を受けての、「赦したまえ」なのだそうです。(ユディトが来なくてごめん!ということ) そういうことか!
展示会のメインが来なくなるという、きっと大きかったであろう試練を切り抜けるご担当者のユーモア、センス!すごいですね!!
レクチャー後は、課題本に宮下さんのサインを求める長い列が出来ていました。
宮下さん、快く気さくに応じていただき、ありがとうございました。
読書会後に、全員で記念写真をパシャリ!
●懇親会
読書会終了後は懇親会です。今回はカラヴァッジョつながりということで、お料理はイタリアン!
まずは読書会のテーブルメンバーでスタートです。この頃には皆さん緊張もすっかり解けて、美味しいお料理とドリンクをお供に読書会での話がさらに盛り上がることが多いですね。さらには、普段どんな本を読んでいる?猫町倶楽部の他の分科会には参加しているのか?次はいつ参加する?などなど・・・
ひとしきり食事が済んだら、席替えタイムです。「え?そういうの苦手なんだけど・・・」「どこに行けば良いの?」と思われる方もいらっしゃいますよね。
私も初めて参加した時はそうでした。でも、この席替えではテーブルごとにテーマが設けられ、皆さんには好きなところに移動していただきます。
いつもなかなか興味深いテーマが並びます。進め方は各テーブル様々ですが、名前程度の簡単な自己紹介をしてテーマについて気軽にお話する感じでしょうか。
読書会でのテーブルは違っていても、元は同じ課題本を読んでいる者同士!やっぱりこの共通点は大きいんですよね。
自分の興味のあるテーマの世界をさらに広げるきっかけになったりするかも?!
ちなみに今回のテーブルごとのテーマは、以下の通りでした。
「宮下さんともっと話したい」「闇の〇〇」(課題本『闇の美術史』にちなんで 笑)「オススメの企画展・美術展」「旅行」「フリーテーマ」
ここまで来ると、あっという間に終了の時間に・・・
ご参加の皆さん、ありがとうございました!
自分が読んだ本の感想を、きちんと自分の言葉で声に出して伝えること。
これって有りそうでなかなか無い機会なんですよね。頭と心の風通しが良くなった気がするのですごくオススメです!
このレポートを読んでくださった方の中で、「参加してみようかな」とお一人にでも思っていただけたならこんなに嬉しいことはありません。
皆さまのご参加をお待ちしています!
【文:eri愛里 写真:いっとく、のんこ】
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