扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋アウトプット勉強会[ビジネス]

  • 2020年06月26日 20:30~21:50
  • [猫町オンライン]アウトプット勉強会 V.E.フランクル「夜と霧」

猫町倶楽部では6月からzoomを利用したオンライン読書会が始まりました。

2020年6月27日(金)、名古屋アウトプット勉強会としては2月以降開催が中止されていた読書会をオンライン読書会として再開しました。

今回の課題本はヴィクトール・Ⅴ・フランクル「夜と霧」。強制収容所から奇跡的な生還をはたしたユダヤ人である著者が人間の生きがいとは何かを追及した名著です。発売以来、世界中で長きにわたり読み継がれてきましたが、コロナ禍を生きる参加者はどのように読んだのでしょうか?



 今回の読書会は初参加8名を含む71名の方がご参加いただき、満員御礼となりました!ありがとうございました。

受付後、待合室でしばらく歓談いただき20時30分いよいよ読書会の開催です。

司会からの挨拶の後、いつものように読書会のルールを説明します。

読書会のルールは2つ。
課題本の読了(←絶対必須)
他の参加者の意見を否定しないこと(本の内容を批判するのは大丈夫です)。

またオンラインならではのルールを1つ。

スクリーンショット撮影の禁止

(読書会はお互いの表情がわかるようカメラオンで参加します。プライバシーの配慮をお願いしています。)

説明後zoomの機能、ブレイクアウトルームを利用し6~7名のグループに分かれ読書会の始まりです。

各グループには司会進行役のファシリテーターがいますので、

初参加の方や話すことが苦手な方でも発言しやすいよう読書会を進めていきます。

「読書が好き」な人の集まりです。自分の思ったことを積極的に発言して読書会を楽しみましょう!

参加者の意見・感想をいくつかご紹介します。

 ●「いい人は帰ってこなかった」とあるが、著者はこの本を書くために生き延びたのではと思う。

またこの「いい人」の定義とは何か。著者には生き延びたことへの罪悪感もあるのではないか。

ここには書けない、もっとつらいこともあったであろうし、誰かを見殺しにしなければならなかったこともあるだろう。ホロコーストの悲惨な理不尽の一つは、人を見殺しにさせられたこと、見殺しにする悪人にされてしまったことである。

●人を愛する気持ち、夕陽を美しいと思う気持ち、苦しみをユーモアで笑える人は、生き延びることができる。それは心の奥の芯の強さだ。

●極限的な状況においても、なお人は自分がどういう存在であるかを選ぶことができるという言葉が刺さったが、自分が著者のように振る舞うことができる自信はない。

でも、そうありたいとも思う。

●つらいときに思い浮かべる人がいるのはちょっとうらやましい。

人でなくても、自分がつらいときに心や癒されるようなものを持つのは必要だと思う。

実際に一緒にいなくても大切な人が心に存在するというのは心の支えになる。

●解放された後が希望に満ちているかというとそうでもないところが切ない。

家族が殺されたという現実が迫ってくること、周囲の人との温度差がある。

これはコロナ禍でもそうだし、震災でも起こりうることだと思う。

  ●繊細な人ほど過酷な状況に耐えられるという表現に違和感を覚えた。本来繊細な人ほど過酷な状況に屈してしまうのではないかと思う。

●「自分が人生に何を期待するかではなく、人生が自分に何を期待しているか」という言葉がとても印象に残った。

強制収容所にいる自分を保つために無理矢理導き出した思考なのか、すべての人に当てはまる心理なのかはまだわからない。

ポジティブな意見、反対に本の内容に対してネガティブな意見や疑問点など「他の参加者の意見を否定しないこと」という猫町のルールの下、活発なアウトプットが続きました。


 

約1時間30分の読書会後、オンラインでの記念撮影です。

その後、各分科会より今後の開催告知をおこない読書会は終了しました。

また読書会終了後、まだまだ「話したりん!」参加者有志によるzoom懇親会がおこなわれました。

本の感想を話す人、雑談する人など、通常の懇親会さながらにぎやかな開催となりました。皆様、お疲れさまでした!

「オンライン読書会」について

コロナ禍の中でも読書会を開催することを目的に、準備期間を経て導入された「オンライン読書会」でした。猫町倶楽部としても、運営するサポーターとしても、もちろん参加者も初めての経験です。zoomを使用したことがないという方も多かったのではないでしょうか?さまざま試行錯誤を繰り返しましたが、無事開催することが出来ました。運営に不慣れな点も多々ありましたが、参加者全員にご協力いただきました。ありがとうございました。読書会後の「楽しかった!」「また参加します!」の声を再び聞くことができ、本当に嬉しく思いました。


オンライン読書会は地域に関係なく、自分の都合で参加日、参加回数を決めることができます。同じ課題本で複数回参加することもできますし、画面越しに会話を聞くことは思った以上に読書会に集中する事ができます。


オフラインとは違った楽しみを見つけてみませんか?

zoomが分からない、苦手と思っている方も参加はとても簡単です。案内メールに添付されたURLをクリックするだけで、後はサポーターが案内、グループ分けを行います。

(猫町倶楽部のHPにも「オンライン読書会 参加手引き」が掲載されています。)

次回、7月のアウトプット勉強会の課題本は『世界は贈与でできているー資本主義の「すきま」を埋める倫理学』です。

一見当たり前に存在しているこの「世界」の成り立ちを、「贈与」や「言語」「常識」の成り立ちを通して説き起こした若き哲学者・近内悠太のデビュー作です。

開催日は7月8日(水)、18日(土)、23日(木)です。

この機会にぜひ、参加してみてください。お待ちしております!

文:写真:名古屋OP勉強会


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