猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2020年6月28日(日) 16:00〜18:00
- [猫町オンライン]文学サロン月曜会 カミュ『ペスト』
6月から猫町倶楽部のオンライン読書会がスタート!
文学サロン月曜会も再開しました。
月に3回、同じ課題本での開催となります。
今回は6月28日に開催した東京月曜会設営の会場をレポートいたします。
読書会には、初参加を含む68名の方にご参加頂きました。
初めてのオンラインながら満員御礼!
なんと、海外からの参加者もいらっしゃいました。
ご参加いただいた方、ありがとうございました!
課題本は、アルベール・カミュの『ペスト』。
パンデミックという不条理に直面した人間たちの、様々な行動を描いた群像劇。
コロナ禍の今読みたい一冊ということで、ベストセラーに並ぶなど注目が集まりました。
この時代にこそ、この本を誰かと語り合いたい!
そのように思った方も多かったのではないでしょうか。
同じ「本が好き」な仲間同士で、思いきり意見交換をできる場所なんて、なかなかないですよね。
猫町オンラインでは、存分にそんな時間が楽しめちゃいます。
まずは参加の手続きです。
Zoom会議のURLをクリックして、Zoomアプリを立ち上げます。
受付後、待機室で開始時間を待ち、参加者全員がメインルームに集合したら、
司会から会の流れ、注意事項等の説明があります。
(詳しくは「オンライン読書会 参加手引き」をご覧ください。
【PC版】
【モバイル版】)
オンライン開催になっても猫町倶楽部のルールはいつも通り。
・課題作の読了
・人の意見を否定しない
6〜7名ずつのブレイクアウトルームに分かれて、読書会がスタートいたします。
各グループには司会進行役のファシリテーターがおり、
初参加の方や話すことが苦手な方でも発言しやすいよう、読書会を進めていきます。
参加者の意見・感想をいくつかご紹介します。
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・小説というより伝記・記録のような淡々とした文体で、読みやすかった(同じ理由で、読みにくかったという人も)
・悪人も含め、考え方の異なるキャラクターが出てくるが、互いの行動を尊重するのでみんな良い人だなという印象
・主要人物に男性が多いのは、カミュは戦争が隠喩としてこの小説を書いたからではないか、災害や戦争など全ての不条理を「ペスト」と呼ぶのではないか
・ペストが流行ってから、変わった人と変わらない人がいるところが特徴的
・登場人物の名前が覚えづらく、よく間違える(笑)
・ペスト蔓延による町の封鎖というシビアな環境にあって、信じるものが違っても、目的を共有してお互いに理解を示しながら手を取り合う主人公達の姿を、今のコロナ渦の中で読めて良かった
・リウーとタルーが海で泳ぐシーンは凄く解放感があって印象的だった。緊張感に満ちた長い物語の中で唯一一息つける場面だったので、自分も二人と一緒に泳いでいる気持ちになれる位読んでいて気持ち良かった
・不条理さも描かれていて、特にリウーが妻と友タルーを失った点などが印象に残りました
・「この町に来る前からペストに侵されていた」というタルーのセリフが心に残った。結局カミュが言いたかった事はこのセリフに凝縮されている様に感じた。
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群像劇らしく、登場人物の考え方や描かれ方に関する感想が多かったようです。
そこから、コロナに関する身の回りの問題についての話に広がり、
マスク警察について思うこととか、新宿勤務の人の苦労話などが熱く語られました。
1947年に発表されたはずの本ですが、
私たちの「今」にも通じる普遍性を感じますね…
この日は『ペスト』三回目の開催だったので、
すでに何度かご参加いただいている方が
「以前の会ではこんな意見がありました」と教えてくれて、
そこから話題が盛り上がることもありました。
県をまたいで何度も参加できることも、オンラインならではの良さですね〜
約1時間30分の読書会後、オンラインでの記念撮影です。
その後、各分科会より今後の開催告知をおこない、読書会は終了しました。
初のオンライン、運営に不慣れな点も多々ありましたが、
参加者全員にご協力いただき、無事に開催することが叶いました。
「楽しかった!」の声を聞くことができて、とても嬉しく思います。
人と会うことが難しいご時世ですが、
オンラインならではの楽しみもたくさんあるものだと、
たくさんの気づきがありました。
月曜会で人と話す楽しさはそれ自体は、オンラインでもオフラインでも変わらないものですね。
ぜひ、みなさんも、一度猫町倶楽部にご参加ください!
次回、7月の文学サロン月曜会の課題本は、カズオ・イシグロ『日の名残り』です。
開催日は7/3(水)〈終了〉、7/12(土)〈終了〉、7/30(木)です。
また、8月の課題本も決定しており、
トニ モリスン『青い眼がほしい』(ハヤカワepi文庫) 8/2(日)、8/12(水)、
太宰治『葉桜と魔笛』 8/29(土)で開催予定となります。
ご参加をお待ちしております!
記:さおり 写真:イノウエ ハセ