扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋アウトプット勉強会[ビジネス]

  • 2013年07月19日(金曜日) 19:15~21:30
  • E.H.カー(著)「歴史とは何か」【名古屋アウトプット勉強会 第79回】

2013年7月 第79回アウトプット勉強会は一足早い猛暑のなか、読書会参加50名 二次会37名の参加者が集まりました。




今回の課題本 E.Hカー著「歴史とは何か」は、1961年にケンブリッジ大学で行われた講演に基づいた作品であり、歴史学における基本的なテキストといわれています。
「歴史とは現在と過去との対話である」という本著中のフレーズは、歴史学会において引用頻度が高いフレーズの一つとされ、歴史を手に取るうえで通り過ぎることのできない書ともいえます。

まずはおなじみのファシリテーターミーティングの光景です。







今回は何度も経験されている方から本日デビューの方まで、様々なファシリテーターの顔ぶれです。開催前より「難解だった」という声がちらほら聞かれていた今回の課題本。ファシリテーターからも「今回はどのように進めたらいいのか…」など、戸惑いの声もちらほら聞かれていました。

そして開始の合図とともに、各チームでのアウトプットが始まります。




難しかったという前評判とは裏腹に、スタートと共にどのチームも活気あふれる意見交換が展開されていきます。意見に真剣に耳を傾けながら、時には笑いも交えつつ、1冊の本と真摯に向き合い、「汗をかく読書」の成果をお互いに分かち合う場となっています。

客観性のみで歴史を語ることを試みた近代歴史学を著者カーはこの本の中で批判していますが、どのチームでも共通して話題に上がったのは、客観とは?主観とは?という点だったようです。




歴史は主観によって物語られたものであるからこそ物事に疑問を持って取り組むことの必要性を伝える意見や、主観こそが歴史を作り上げるものであるといった意見もあり、主観的なものの見方、客観的なものの見方それぞれに役割があることを改めて考えさせられます。

また、大河ドラマの例から、焦点をあてる人物や立場によって物語が異なるという点を挙げているチームもありました。人物や取り上げる歴史家のみならず、その時代背景によっても受け止め方が異なるという事により、歴史には究極の客観性はないのではないかという意見から、歴史そのものも生きているのだということを示してくれているようです。




そして参加者が考える歴史とは?歴史の役割とは?歴史解釈を通じて他国と柔軟に対話できるのではないか、という意見や、歴史を後世に伝えるのは、歴史により人々に勇気や希望を与えるため、といった、とても興味深い意見も聞かれています。

そして、アウトプットの熱気の余韻を残しつつ、会は終盤に向かいます。
ここで恒例のブックカバー贈呈式です。




おめでとうございます。忙しい中を縫っての読了と参加には、頭の下がる思いです。

今回ブックカバー贈呈対象ではありませんでしたが、中には45回以上連続参加の方もおられるとの事!その巧みな時間管理の秘訣や読書会にかける熱意など、ぜひお聞きしてみたいですね。

二次会は同ビル内のつくねやで開催されました。
先月試みられた名刺交換が、引き続き今月も行われました。




くじ引きの席ではアウトプットとはまた違う方とのテーブルとなり、初めてお話しする方どうしも多かったのではないでしょうか。




そして裏のお題は「心に残ったアウトプットは?」
ほかのテーブルでのアウトプットの様子を聞くことはできましたか?
この名刺が皆さまにとって楽しい二次会になるスパイスとなれたら、私たちも嬉しく思います。




最後に、今回初めてファシリテーターを務めた、Fさんの声を紹介させていただきます。

今回、これまで経験したことのなかったことをやってみたいという気持ちがあり、初めてファシリテーターに挑戦しました。実は人見知りをしてしまうこともあり、お声をかけて頂いてから返事をするまで、随分悩みました。背中を押してくれたのは、ファシリテーターへのお誘いのメールの中の「ものの見方が変わります」という言葉でした。実際にその立場に立って、ものの見方を変えることは、自分自身にとって良い経験になると思い、魅力的に映りました。それと、この読書会自体に魅力を感じていたので、ファシリテーターを務めることで、どのように読書会が見えてくるのかという点にも興味がありました。

お引き受けしてから定例会まで、やはり不安はありました。

特に今回の課題本はとても難解で、自分の中で消化しきれなかったこともあり、果たして自分に務まるのか、すごく不安でした。
実際にやってみて大変だったのは、時間の管理や突発的な事への対応、話題の方向がずれそうになった時の修正などでした。今回はベテラン参加者の方にたくさんフォローしていただいて、とても心強く思いました。会が進み雰囲気に慣れてくると、発言された方への言葉に対して聞き役に徹したり、コメントを述べられることができたことを「楽しい」と感じることができました。

そしてファシリテーターとして参加したことで、今後も読書会でもっと「楽しい」時間を過ごしたいと思うようになりました。
これからファシリテーターをやってみたいという方、引き受けるかどうか迷っている方へは、引き受けるか否かは、自分の気持ちに正直に、素直になって答えを出してほしいと思っています。

自分の学びになることがあると感じるのなら、是非挑戦してみてください。何よりファシリテーターを「楽しもう」とする気持ちが大切だと実感しました。

Fさん、初めてのファシリテーターお疲れ様でした。そして貴重な体験談をお聞かせ頂き、ありがとうございました。
私も同じチームで参加し、初ファシリならではの緊張感はありながらも、時間を追うごとにFさんらしい真摯さが垣間見られ、意見をしっかり聞きとめながら一生懸命言葉を考えて伝える姿は、とても素晴らしいと思いました。

そして、このファシリテーターの資格はただ一つ「アウトプット勉強会に4回以上参加された方全員」です。興味のある方、迷っている方は、お近くのサポーターまでご相談ください。

そして少しでも「やってみたいな…」というお気持ちがあれば、ぜひ、立候補してみてくださいね。
皆さまの立候補を、サポーター一同心待ちにしております。

来月は第80回、節目の会となります。
課題本は村上隆(著)「芸術起業論」8月30日(金)の開催です。皆さまふるってご参加ください。

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